日本臨床細胞学会雑誌
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症例
2 歳男児の下顎骨に発症したランゲルハンス細胞組織球症の 1 例
辻 要飯塚 徳重中谷 理加黒田 卓林 輝嘉堀井 活子森田 章介島 盛隆
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2015 年 54 巻 1 号 p. 35-40

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抄録

背景 : ランゲルハンス細胞組織球症 (Langerhans cell histiocytosis : 以下 LCH) は, ランゲルハンス細胞の増殖を特徴とする疾患で, 下顎骨に発生することはまれである. 今回われわれは細胞診を施行した下顎 LCH の 1 例を経験したので報告する.
症例 : 2 歳, 男児. 右側頬部の腫脹を主訴に当院を受診した. 画像検査にて右側下顎臼歯部∼下顎枝部にかけて著明な膨隆および骨吸収像を認め, 骨シンチグラフィでは同部にのみ異常集積を確認した. 術前の細胞診で, 好酸球とともに核溝や不整なくびれを有する核を伴った大型組織球様細胞を認めた. 手術摘出標本において, 好酸球浸潤を背景にランゲルハンス細胞を多数認めた. 免疫染色ではランゲルハンス細胞は S-100 protein, vimentin, CD1a, langerin, HLA-DR に陽性であった. 電子顕微鏡ではランゲルハンス細胞の細胞質内に多数の Birbeck 顆粒が確認でき, LCH と診断された.
結論 : 今回は細胞診のみで確定的な診断を得なかったが, このような症例の積み重ねが今後の LCH の診断に重要であると考えられた.

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