日本臨床細胞学会雑誌
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原著
ワルチン腫瘍の診断における液状化検体細胞診の併用効果
三宅 まどか河原 明彦河原 真弓子貞嶋 栄司木下 準子山口 知彦安倍 秀幸多比良 朋希鹿毛 政義徳永 藏
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2016 年 55 巻 1 号 p. 7-12

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抄録
目的 : ワルチン腫瘍の穿刺吸引細胞診において, 従来法に加えて液状化検体細胞診 (LBC 法) を併用する有用性について検討を行った.
方法 : 耳下腺穿刺吸引細胞診で従来法と LBC 法を併用しワルチン腫瘍と診断された 28 検体を対象とした. これらの検体を用いて, 1) 好酸性細胞の出現検体数と形態の比較, 2) 好酸性細胞出現検体数と集塊数の比較, 3) 背景物質の比較に関して従来法と LBC 法で検討を行った.
成績 : 従来法と LBC 法ともに好酸性細胞がみられたのは 20 検体 (71.4%) で, LBC 法のみにみられたのでは 6 検体 (21.4%) であった. LBC 法における好酸性細胞の細胞像は, 顆粒状細胞質を観察することはできたが, 核の濃染化や核小体の明瞭化が多く観察された. 高円柱状を呈する好酸性細胞や好酸性細胞集塊の出現数は, LBC 法のほうが従来法に比べ有意に多く出現していた (p<0.05). LBC 法では出血のような背景物質は減少したが, 一方, リンパ球の変性が多く認められた.
結論 : ワルチン腫瘍の診断に LBC 法を併用することで, 好酸性細胞の出現数を明らかに確保することができ, 囊胞性変化を伴う唾液腺腫瘍の診断に有用と考えられた.
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© 2016 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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