日本臨床細胞学会雑誌
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症例
小脳髄芽腫 (classic medulloblastoma) の 1 例
吉田 牧子山岸 真代
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2016 年 55 巻 3 号 p. 154-159

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抄録

背景 : 髄芽腫は後頭蓋窩に発生する胎児型の脳腫瘍で小児脳腫瘍の代表的な腫瘍の一つである. 未熟な細胞の増殖よりなる髄液播種傾向の強い腫瘍でもある. 化学療法中も髄液細胞診陽性が持続した髄芽腫の 1 例を報告する.
症例 : 2 歳児の第 4 脳室を占める腫瘍に対して摘出術が施行された. 腫瘍の病理組織像は Classic medulloblastoma の像だった. プロトコールに従い化学療法が施行されたが, 画像上は stable であるにもかかわらず髄液細胞診は陽性が持続した. 2 回目の超大量化学療法後いったん髄液細胞診は陰性化したが, 再度陽性となり, 次いで画像上や臨床症状上も再発が明らかとなった.
結論 : 脳腫瘍の術後化学療法における腫瘍の viability の評価に髄液細胞診は有効であり, また画像で再発が指摘される前に髄液細胞診で再発をとらえることが可能であることが示唆された. また治療中に髄液細胞診陽性が持続することは予後不良因子となりうると考えられた.

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© 2016 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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