日本臨床細胞学会雑誌
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原著
悪性リンパ腫のギムザ染色における細胞質内空胞の検討
今井 宏樹仲村 武岸本 浩次野﨑 真仁牧野 純小山 剛司渡邊 睦子大池 信之梅本 沙代子河野 尚美
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2016 年 55 巻 4 号 p. 215-223

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抄録

目的 : バーキットリンパ腫 (BL) の脂肪空胞は知られているが, 他の悪性リンパ腫においても細胞質内空胞を認めることがある. 悪性リンパ腫の空胞出現率と SudanⅢ染色, adipophilin 免疫組織化学から脂肪の有無や組織型との関連を検討した.

方法 : 良悪性 101 例の組織捺印標本のギムザ染色, adipophilin の免疫組織化学を行った. 一部の症例は SudanⅢ染色を行った.

成績 : 空胞出現率は良性で 10%以下, 20%以上は悪性リンパ腫であった. SudanⅢ染色は BL, びまん性大細胞 B 細胞リンパ腫 (DLBCL), 未分化大細胞リンパ腫 (ALCL) で陽性細胞を認めた. Adipophilin 陽性率は良性で 20%以下, 高い症例は悪性リンパ腫であった.

結論 : 染色から空胞は, 脂肪空胞が存在する. 空胞を 20%以上認める症例は悪性リンパ腫を示唆する. Adipophilin 陽性率が高い場合, 悪性リンパ腫を示唆する. BL, DLBCL, ALCL, 成人 T 細胞性白血病/リンパ腫 (ATLL) において, 空胞を多くもつ傾向が示された. 細胞診断は細胞形態の特徴に加え, 空胞の有無が組織型推定に有用である.

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© 2016 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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