日本臨床細胞学会雑誌
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原著
BCL2/BCL6 二重免疫染色による濾胞性リンパ腫 (Grade 1-2) の診断
山﨑 利城徳山 宣佐藤 麻依平川 靖那寺井 謙介平山 美佐子山口 みはる北村 真笹井 大督蛭田 啓之
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2016 年 55 巻 4 号 p. 231-238

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抄録

目的 : 細胞診標本において濾胞性リンパ腫 (follicular lymphoma Grade 1-2, FL G1-2) の腫瘍細胞は, 非腫瘍性病変との鑑別に苦慮する場合がある. そこで今回われわれは, BCL2 と BCL6 との二重免疫染色を考案し有用性を検討した.

方法 : 2000~2016 年の 16 年間に当院で手術され, 確定診断された悪性リンパ腫 35 例, 非腫瘍性病変 15 例, 計 50 例の細胞診標本を対象とし, 二重免疫染色を行った.

成績 : 二重に染まっている細胞を陽性と判断した結果, FL G1-2 は 8 例すべて, B 細胞性リンパ腫全体では 29 例中 22 例が陽性を示した. これに対し非腫瘍性病変は 15 例すべて陰性であった. T 細胞性リンパ腫, 古典的ホジキンリンパ腫は陰性を示した.

結論 : BCL2 および BCL6 を組み合わせた免疫染色は, FL G1-2 の診断において強力な補助診断ツールであることが示された.

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