日本臨床細胞学会雑誌
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症例
Diffuse large B-cell lymphoma, spindle cell variant の 1 例
大澤 久美子青木 智章渡部 玲子得平 道英阿部 佳子新井 栄一木崎 昌弘田丸 淳一
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2016 年 55 巻 4 号 p. 239-244

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抄録

背景 : びまん性大細胞型 B 細胞リンパ腫 (diffuse large B-cell lymphoma ; DLBCL) のまれな細胞形態である紡錘形細胞亜型 (spindle cell variant ; Sp) を経験したので報告する.

症例 : 50 歳代, 女性. 腹痛を主訴に近医受診し, 画像検査において悪性リンパ腫が疑われ当院を紹介された. 表在リンパ節は触知せず, CT では腹部正中より左側を優位に 1~4cm 大の腸間膜リンパ節腫大が多数認められ, 確定診断のため開腹リンパ節生検が施行された. 穿刺吸引細胞診では, 典型的な形態ではないものの悪性リンパ腫を思わせる細胞像であったが, 病理組織学的には紡錘形細胞からなり, 悪性リンパ腫以外の悪性間葉系腫瘍が疑われ, 免疫形質発現の検索にて, CD20 (+), CD10 (−), BCL6 (−), MUM-1 (+) であり, non-GCB type で, かつ病変がリンパ節に限局し, 反応性の筋線維芽細胞や, T リンパ球, 組織球浸潤が比較的乏しく Sp としてはきわめてまれな性質をもつ症例と診断された.

結論 : Sp-DLBCL は非常にまれな悪性リンパ腫のため, 病理組織像だけでは診断が難しい疾患であり, 細胞像を参考に免疫染色にて腫瘍細胞の起源を証明することが診断には重要と思われた.

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