2016 年 55 巻 5 号 p. 302-307
目的 : 腎盂尿路上皮癌の診断には腎盂・尿管カテーテル尿細胞診が有用であるが, 細胞の変性により診断に苦慮する場合がしばしばある. そこで 5-アミノレブリン酸 (以下 5-ALA) 染色法を尿細胞診の補助手段として用いることの意義を検討した.
方法 : まず自然尿細胞診検体 30 例について 5-ALA 染色変法の有用性を確認し, 次いで腎盂・尿管カテーテル尿細胞診検体 30 例について 5-ALA 染色変法の結果を加味した尿細胞診の有用性を検証した.
成績 : 自然尿細胞診検体の 5-ALA 染色変法の結果は, 藤本らの報告にほぼ一致し有用性を確認した. 腎盂・尿管カテーテル尿細胞診検体では, 悪性 6 例 (20%), 悪性疑い 5 例 (17%), 異型細胞 7 例 (23%), 陰性 12 例 (40%) であった. これに 5-ALA 染色結果を加味し総合判定することによって悪性疑いのすべておよび異型細胞の一部が悪性と判定され, 悪性 14 例 (46%), 悪性疑い 0 例 (0%), 異型細胞 4 例 (13%), 陰性 12 例 (40%) となり, 良悪を確定できなかった症例は 1/3 に減少した.
結論 : 腎盂・尿管カテーテル尿細胞診において, 5-ALA 染色変法の結果を細胞診判定に加味し総合判定することは, 細胞診の精度を大いに向上させうると考えられた.