2017 年 56 巻 1 号 p. 21-26
背景 : アステロイド小体はサルコイドーシスなどでみられる星芒状の封入体として知られるが, 細胞診標本でみられることは非常にまれである. 今回, 甲状腺乳頭癌に随伴したコレステリン肉芽腫でアステロイド小体を認めた症例を経験したので報告する.
症例 : 60 歳代, 女性. 約 1 年前に S 状結腸癌の腔鏡切除術後, 化学療法を施行した. 治療効果判定目的の PET-CT にて甲状腺峡部に異常集積を認め精査となった. 超音波で甲状腺右葉峡部寄りに 1 cm 大の微細高エコーを伴う低エコー腫瘤を認め穿刺吸引細胞診が施行された. 少量のフィルム状コロイドとコレステリン結晶を背景に, 少数の核溝や核内封入体を有する濾胞上皮細胞と多数の多核巨細胞が認められた. 一部に多核巨細胞の胞体にはアステロイド小体がみられた. 甲状腺右葉と峡部摘出術が行われ, 濾胞型乳頭癌と診断した. 腫瘍に随伴し約 3 mm 大のコレステリン肉芽腫を認め, 多核巨細胞内にアステロイド小体を認めた.
結論 : アステロイド小体を有する多核巨細胞は, サルコイドーシスや悪性腫瘍に伴う肉芽腫などの疾患でも出現することがあるため, 出現細胞の全体像を総合的に判断して, 診断を進めることが肝要である.