日本臨床細胞学会雑誌
Online ISSN : 1882-7233
Print ISSN : 0387-1193
原著
子宮頸がん集団検診における ASC-H 判定の広がりと問題点
―前期, 後期 3 年間の変化から―
森村 豊佐藤 奈美荒木 由佳理栗田 和香子佐藤 美賀子神尾 淳子野村 真司添田 周渡辺 尚文藤森 敬也
著者情報
ジャーナル 認証あり

2018 年 57 巻 2 号 p. 114-119

詳細
抄録

目的 : TBS 導入直後とその後で ASC-H 判定状況の経時的変化を調べ, ASC-H 判定数が増加し, ASC-H の概念がいかに普及したかを明らかにした.

方法 : 子宮頸がん集団検診へのベセスダ方式導入後の前期 2009~11 年と後期 2012~14 年で, ASC-H 判定の頻度を比較した. ASC-H 症例のその後の組織診での CIN の検出率を比較した.

成績 : 検診受診者に対する ASC-H の頻度は, 前期 0.02%, 後期 0.08%と増加し, 細胞診異常に占める割合も 2.9%から 8.5%に増加した. ASC-H 判定例の≧CIN2 の検出率は, 前期 77.3%, 後期 60.1%で低下傾向がみられ, ≧CIN3 は前期 60.0%, 後期 35.0%と有意に低下した.

結論 : ベセスダ導入当初 3 年間は, ASC-H 判定数は少なかったが, その後の 3 年で ASC-H の概念が普及し判定数は増加した. 一方, 偽陽性例が増加し, ≧CIN3 への陽性反応的中率は低下した. ASC-H の乱用を避け, 適正な運用が望まれる.

著者関連情報
© 2018 公益社団法人 日本臨床細胞学会
前の記事 次の記事
feedback
Top