日本臨床細胞学会雑誌
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症例
甲状腺に病変を形成したランゲルハンス細胞組織球症の 1 例
竹渕 友弥佐野 孝昭後藤 優典星川 里美栗原 康哲伊古田 勇人平戸 純子小山 徹也
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2018 年 57 巻 3 号 p. 177-182

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抄録

背景 : ランゲルハンス細胞組織球症 (Langerhans cell histiocytosis : LCH) は, ランゲルハンス細胞の増殖と周囲の炎症性細胞浸潤によりさまざまな部位や臓器を傷害する疾患である. 今回われわれは 17 年の経過で症状が悪化し, 皮膚や甲状腺, 腋窩, 脊椎, 肛門へと浸潤した LCH を経験したので報告する.

症例 : 40 歳代男性. 20 歳代の時に気胸で他院に入院し, 肺好酸球性肉芽腫症と診断されたが, 経過観察は行われなかった. 最近になって両側腋窩のしこりと右肩から背部にかけての皮膚の腫れに気づき, 当院に紹介受診となり皮膚生検が行われた. それから 2 週間後に気胸を発症し, 肺部分切除を行った. いずれの検体も病理組織学的に LCH と診断された. さらに画像診断で甲状腺への転移が疑われ, 甲状腺穿刺吸引細胞診が行われた. 細胞像は淡く泡沫状の細胞質と核に切れ込みをもった細胞が, 結合性の緩い集塊や孤立性にみられた. 免疫染色は CD1a, Langerin が陽性で, LCH に相当する所見であった.

結論 : 甲状腺穿刺吸引細胞診においても LCH の細胞像の特徴を把握することで, 診断推定は可能であると思われる.

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