2018 年 57 巻 4 号 p. 217-222
背景 : Superficial CD34-positive fibroblastic tumor は 2014 年に Carter らによって中間悪性度腫瘍として提唱された軟部腫瘍の新規疾患概念である. 今回われわれは本腫瘍の 1 例を経験し, その細胞像について検討したので報告する.
症例 : 18 歳, 男性. 右大腿遠位内側に 9 cm の皮下腫瘤を生じ, 広範切除術が施行された. 切除検体から圧挫・捺印・液状化細胞診標本を作製した. いずれも血管間質や慢性炎症細胞浸潤を示す背景に, 異型細胞を多量に認めた. これらの細胞は紡錘形で好酸性顆粒状の胞体を有し, 細胞境界は不明瞭, 核は多形性を示し核内細胞質偽封入体も散見した. 壊死はみられず, 核分裂像は極少数であった. 免疫細胞化学にて異型細胞は CD34 に強陽性を示した.
結論 : 核内細胞質偽封入体を含む多形性核は一見, 高悪性度腫瘍を思わせるが, 壊死の欠如や核分裂像の少なさが一般的な高悪性度肉腫と異なっており, さらに特徴的な臨床像や CD34 陽性所見と併せることで, 本腫瘍を推定し鑑別診断に挙げることが可能と思われた.