日本臨床細胞学会雑誌
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症例
外陰に発生した骨髄性肉腫 (myeloid sarcoma) の 1 例
久 毅西村 宙起的田 眞紀金尾 祐之小松 京子杉山 裕子河内 洋竹島 信宏
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2018 年 57 巻 6 号 p. 294-299

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抄録

背景 : 骨髄性肉腫 (myeloid sarcoma 以下 MS) は未熟骨髄細胞からなるまれな腫瘤形成性病変である. 今回われわれは外陰部から発症, 同部生検組織から診断しえた MS の 1 例を経験したので報告する.

症例 : 30 歳代, 女性. 疼痛を伴う外陰腫瘍を認め当科に受診した. 外陰腫瘍は陰核から右小陰唇に及ぶ 3.0 cm 大の隆起性病変で, 表面平滑な腫瘍であった. 初診時外陰腫瘍表面からの擦過細胞診では異常を認めず, 腫瘍を切開し, 組織採取時に作製した捺印細胞診で小円形細胞型の悪性細胞を認め, 悪性リンパ腫, 悪性黒色腫, MS などを推定した. 組織診所見では, 微細なクロマチンを有する N/C 比の高い小型球形細胞が密に浸潤増殖していた. 免疫染色にて MPO, CD34, CD13, CD117 に陽性であったことから MS と診断した.

結論 : 本例は non-leukemic MS の症例であり, 臨床的に MS を疑うことが困難であった. 捺印細胞診により MS を推定し免疫組織化学的検査を行い早期に診断, 治療を開始することができた.

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