2019 年 58 巻 6 号 p. 231-240
目的 : 体腔液検体を用いて, SurePath 法による Liquid based cytology (LBC) 標本と通常の引きガラス法による塗抹標本の細胞像の比較検討を行い, LBC 法が体腔液細胞診へ応用できるかを検討した.
方法 : 対象として胸水 721 例, 胸腔洗浄液 251 例, 腹水 519 例, 腹腔洗浄液 229 例, 心囊液 39 例の計 1759 例を用いた. 検体を遠心後, まずバフィーコート部分から引きガラス法を用いて塗抹標本を作製し, 残余検体が得られた場合に CytoRich Red 保存液を添加して 30 分以上細胞固定した後, SurePath 法にて LBC 標本を作製した.
成績 : LBC 標本では, 塗抹標本に比べて清明な背景が得られ, 細胞変性が少なく, 腫瘍細胞の出現率が高かった. また, 狭い範囲に細胞が均一に分布することから, 塗抹標本よりも鏡検範囲が縮小された. さらに, LBC 標本では腫瘍細胞の立体構造がより保たれ, 塗抹標本と同様, 基本的には良好な免疫細胞化学の結果が得られた.
結論 : LBC 標本は細胞形態や出現様式が塗抹標本とは異なるため, 判定には習熟が必要であるが, LBC 法を体腔液検体に応用することは有用と考えられた.