日本臨床細胞学会雑誌
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原著
乳腺 solid papillary carcinoma の細胞学的検討
—Invasive ductal carcinoma, solid type との比較を中心に—
大久保 美沙松井 成明遠藤 浩之森下 明博内山 瞳山近 大輔井野元 智恵梶原 博
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2019 年 58 巻 6 号 p. 241-248

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抄録

目的 : 細胞学的にみた乳腺 solid papillary carcinoma (SPC) の組織型推定に有用となる所見について, invasive ductal carcinoma, solid type (STC) と比較検討を行った.

方法 : 組織学的に SPC と診断された 11 例および STC と診断された 16 例の穿刺吸引細胞診標本を用いた. これらをもとに, ①背景および出現パターン, ②核所見, ③細胞質内粘液, ④核・細胞面積および N/C 比の比較検討を行った.

成績 : SPC 群では, 背景粘液, 充実性細胞集団, 裸血管間質, 散在性細胞が高頻度に認められた. 構成細胞は核形不整, 大小不同に乏しい類円形核, 小型核小体, 細胞質内粘液を有していた. 一方, STC 群では, 充実性細胞集団, 散在性細胞が高頻度に認められた. 構成細胞は, 核形不整, 大小不同が目立ち, 比較的大型の核小体を有し, N/C 比は高い傾向にあった. 両群の比較からは①背景粘液, ②裸血管間質, ③細胞質内粘液, ④N/C 比, ⑤1.5 μm以上の核小体に有意差を認めた.

結論 : SPC は STC と重複した細胞所見を示すが, 背景粘液, 裸血管間質, 細胞質内粘液を指摘することが重要である. さらに SPC は STC に比してより細胞異型が軽度であることも所見の一つとして挙げられた.

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© 2019 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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