2020 年 59 巻 1 号 p. 7-11
背景 : 慢性膵炎は反応性の異型細胞や膵上皮内腫瘍性病変 (pancreatic intraepithelial neoplasia : PanIN) を伴うことが知られている. ここでは, 低異型度 PanIN を伴った慢性膵炎の超音波内視鏡ガイド下穿刺吸引細胞診 (endoscopic ultrasound-guided fine needle aspiration cytology : EUS-FNAC) の 1 例を呈示し, 高分化型膵管癌との鑑別を中心に報告する.
症例 : 50 歳代, 男性で膵頭部の腫瘍性病変を指摘されたため, 当院に紹介された. EUS-FNAC では, 膵管上皮細胞はシート状から不規則重積配列を示した. 核は腫大し, 大小不同や核形不整が認められたが, クロマチンは細顆粒状で均等分布を示した.
結論 : 慢性膵炎にみられる異型を示す良性細胞と高分化型膵管癌細胞との鑑別には, クロマチン分布の所見が最も有用であると考えられた.