日本臨床細胞学会雑誌
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総説
細胞診報告様式の変遷と 「癌取扱い規約」
坂本 穆彦
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2020 年 59 巻 6 号 p. 263-268

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抄録

細胞診報告様式はパパニコロウ分類が広く用いられていたが, 判定の客観性が問題視されたことなどから, 国際的には 3 段階分類 (陰性・疑陽性・陽性) が主流となった. この時点での報告様式は全臓器に共通する内容であった. 他方, わが国に目を向けると, 国際細胞学会が公にパパニコロウ分類を廃止した後も, 子宮頸部では同分類に準拠した日母分類が用いられる時代が続いた. しかしながら, 子宮頸部細胞診ベセスダシステム 1988 以降, 国際的には新しい流れが生じた. すなわち, 臓器ごとに独自の判定区分が作成されるようになった. 甲状腺, 尿, 唾液腺が子宮頸部に続いた. これらの国際動向とわが国の対応を俯瞰しつつ, 細胞診が諸臓器の 「癌 (腫瘍) 取扱い規約」 にどのように取り入れられてきたかにつき概説する. 「癌取扱い規約」 は, 診療に直接関係している臨床系学術団体と, 必要に応じて日本病理学会が編集に加わって刊行されてきた. ここには癌診療にかかわる用語・定義の国内統一基準が記されている. 細胞診報告様式は各 「癌取扱い規約」 に記載されることにより, 真の意味での国内標準となる. 本稿はその理想に近づくための論考の一助となることを目指している.

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