日本臨床細胞学会雑誌
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症例
高度なメラニン色素沈着を示した後腹膜原発の血管周囲類上皮細胞腫瘍の 1 例
木下 史暁杉谷 拓海近藤 妙子松岡 拓也中川 美弥田上 圭二神尾 多喜浩
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2020 年 59 巻 6 号 p. 291-298

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抄録

背景 : 高度なメラニン色素沈着を示した血管周囲類上皮細胞腫瘍は, pigmented perivascular epithelioid cell tumor (pigmented PEComa) として腎臓や肝臓などで報告されているが, 非常にまれな腫瘍である. 今回われわれは高度なメラニン色素沈着を示した後腹膜原発の血管周囲類上皮細胞腫瘍の 1 例を経験したので報告する.

症例 : 40 歳代, 女性. 検診で肝腫瘍を疑われたが, MRI で後腹膜腫瘍疑いとなり, 超音波内視鏡下穿刺吸引法による細胞診検体採取と生検が施行された. 細胞診上, 類円形, 紡錘形など多彩な像を呈する腫瘍細胞が出現しており, 顆粒状核クロマチンの増量と明瞭な核小体を認めた. 細胞質に多数の褐色顆粒を有しており, メラニン顆粒と思われた. パラガングリオーマや PEComa, 悪性黒色腫の転移が鑑別に挙がった. 組織学的に大小の毛細血管が増生し, 著明なメラニン顆粒を有する腫瘍細胞が胞巣状に増殖していた. 免疫染色では腫瘍細胞が HMB-45 陽性, α平滑筋アクチンと S-100 蛋白は陰性であった. 細胞異型は目立ったが, 核分裂像はみられず, MIB-1 陽性細胞も 1%未満であり, pigmented PEComa と診断された.

結論 : PEComa の細胞学的特徴を認識し, 細胞質にメラニン顆粒を有する腫瘍では鑑別診断として挙げることが重要である.

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