日本臨床細胞学会雑誌
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症例
尿細胞診に胃型腺癌が出現した OHVIRA 症候群の 1 例
中澤 久美子大森 真紀子望月 直子花井 佑樹笠井 一希中村 海斗田中 薫大石 直輝望月 邦夫近藤 哲夫
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2021 年 60 巻 2 号 p. 122-128

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抄録

背景 : 尿細胞診で胃型形質を示す腺癌が認められたまれな症例を経験したので報告する.

症例 : 患者は 40 歳代, 女性. 膀胱腫瘍による尿管閉塞から急性腎不全となり救急搬送された. MRI で膀胱腫瘍と重複子宮, 重複腟, 片側腟閉鎖, 片側腎欠損 (OHVIRA 症候群) が認められた. 尿細胞診像は, 壊死物を含む炎症性背景に, 桃色から橙黄色調の粘液を含む異型細胞集団および細胞境界明瞭な明るい細胞質を示す立方状細胞集団がみられた. 核異型は軽度で微細クロマチンの増量を認め腺癌と診断した. 膀胱組織生検では, 尿路上皮癌成分を認めず, 鋸歯状の異型腺管が増殖, 浸潤していた. 免疫染色で M-GGMC-1 (HIK1083) と MUC6 が一部に陽性を示し, 胃型形質を示す腺癌と診断された.

結論 : 尿中に細胞境界明瞭な明るい細胞質を示す核異型の乏しい腺癌が認められた場合には, 胃型腺癌も鑑別に挙げて臨床所見と併せ総合的な診断を行うことが重要である.

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