日本臨床細胞学会雑誌
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特集 <甲状腺細胞診―さらなる発展へ向けての展望―>
甲状腺腫瘍におけるゲノム異常と展望
近藤 哲夫
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2021 年 60 巻 3 号 p. 182-186

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抄録

濾胞上皮由来甲状腺癌は, 予後良好な微小型乳頭癌から極めて侵襲性の高い未分化癌に至るまで, 腫瘍の分化と悪性度は広範囲にわたる. この甲状腺癌の発癌とプログレッションの過程には, 段階的な遺伝子異常の蓄積とエピジェネティクス異常が関与している. RET/PTC 遺伝子再構成や BRAF 変異による MAPK 経路の持続活性化は甲状腺発癌の初期イベントと考えられ, TP53 変異や TERT プロモーター変異は高分化癌から未分化癌に至る後期イベントと推定されている. 甲状腺癌の腫瘍発生とプログレッションに関与する分子異常が明らかとなる中で, 分子生物学的プロファイリングに基づいた甲状腺癌の診断, リスク分類が注目されるようになっている. 本稿では濾胞上皮由来甲状腺腫瘍におけるがんゲノム異常の最新の知見, 遺伝子検査導入の展望について解説する.

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