日本臨床細胞学会雑誌
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特集 <甲状腺細胞診―さらなる発展へ向けての展望―>
甲状腺乳頭癌亜型の細胞像とその推定意義
樋口 観世子
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2021 年 60 巻 3 号 p. 171-181

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抄録

乳頭癌には多くの細胞学的特徴があることから, その細胞診における診断精度は極めて高い. 一方, 乳頭癌には多くの亜型があり, それらを正確に推定することは容易ではない. 本総説では, 乳頭癌亜型の定義, 臨床的特徴, 細胞所見, 鑑別診断などを概説している. 細胞診で乳頭癌亜型を推測する意義は, ①予後不良あるいは侵襲性の高い乳頭癌亜型を推定することが治療や予後の指標となる, ②篩型乳頭癌を推定することは治療方針の決定に極めて重要である, ③亜型の細胞像に精通することにより, より幅広い鑑別診断が行えるようになる, の三つである. 一方, 濾胞腺腫, NIFTP, 被包型濾胞型乳頭癌の鑑別は難しいが, 臨床的対応に差がないことから, それらの鑑別に執着する意義はない. 乳頭癌には多くの亜型があることを認識し, 非定型的な細胞像を示す乳頭癌症例に遭遇した場合は, まず亜型の可能性を考える姿勢が重要である.

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© 2021 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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