日本臨床外科学会雑誌
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症例
潰瘍形成を伴う小型の直腸悪性GISTの1例
塩崎 憲伊澤 光馬場 將至金井 俊雄小林 晏高見 元敞
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2007 年 68 巻 2 号 p. 389-393

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抄録
症例は76歳, 女性. 肛門部不快感, 排便時出血を主訴として来院した. 肛門縁に近い直腸に拇指頭大の硬結を触知し, 骨盤CT, MRI検査では直腸腹側に長径2cm弱の境界明瞭な粘膜下腫瘤像を認めた. 大腸内視鏡検査では歯状線よりやや口側に潰瘍を伴う粘膜下腫瘤が確認でき, 生検により直腸GISTと診断した. 画像診断上浸潤や転移を疑わせる所見がみられなかったため, 経肛門的に腫瘤の局所切除 (全層切除) を行った. 腫瘍の長径は1.8cmで, 切除標本の割面では出血を伴う中心壊死がみられた. 病理組織学的には紡錘型細胞から成り, c-kit, CD34ともに陽性であった. 細胞の核分裂は多く (50HPFに60個), 悪性度の高いGISTと診断した. 直腸に発生した2cm以下の悪性度の高いGISTの報告例はきわめて稀である. 診断および予後の検討とともに文献的考察を加えて報告する.
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© 2007 日本臨床外科学会
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