日本臨床細胞学会雑誌
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症例
髄液細胞診が有用であった胃癌による髄膜癌腫症の 2 例
秋丸 琥甫玉川 英史小竹 晃生松本 光司
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2021 年 60 巻 6 号 p. 331-336

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抄録

背景 : 固形癌に由来する髄膜癌腫症 (以下 : MC) の原因として消化器癌は比較的まれである. 今回, 臨床的に髄膜炎を疑い髄液細胞診を施行することにより MC を推定しえた胃癌 2 例を経験したので報告する.

症例 : 症例 1 は 60 歳代, 男性. 進行胃癌の診断にて胃切除術および術後化学療法が追加されたが, 7ヵ月後に脊椎骨転移が認められ頭痛と歩行障害が出現し, 髄膜炎の併発を疑い髄液細胞診が行われた. 腺癌を疑わせる異型細胞を認め MC が推定されたが, 8 日後に全身状態悪化により死亡した. 症例 2 は 80 歳代, 男性で早期胃癌の診断にて胃切徐術が施行されたが, 3 年後に残胃に早期癌が出現し内視鏡切除が行われた. 6ヵ月後に自宅で転倒し全身脱力状態となり入院, 1 週間後に昏睡状態となり髄膜炎が疑われ髄液細胞診が行われた. 印環細胞様の異型細胞が認められ, MC が推定されたが, 全身状態の悪化により 10 日後に死亡した.

結論 : 胃癌に由来する MC はまれであるが, 低分化腺癌や印環細胞癌症例は進行例, 早期例ともに出現する可能性があり, 術後に髄膜刺激症状が認められた場合は, 本症を考慮した髄液細胞診を行うことにより, 早期に診断することが重要と考えられた.

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