2023 年 62 巻 3 号 p. 139-144
目的:2019 年 12 月に中華人民共和国にて初めて確認された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックが本邦の細胞診業務に与えた影響を,公益社団法人日本臨床細胞学会(以下,日本臨床細胞学会)に提出された認定施設年報を基にして検討した.
方法:日本臨床細胞学会の認定施設年報としてすでに公開済みの全国調査報告書から,新型コロナ感染症が蔓延する前の 2019 年と蔓延後にあたる 2020 年について,所在地および施設の区分別に,細胞診検体数,関連学会および研修会への参加人数を比較検討した.
成績:検体数に関しては,施設区分別では検診機関において減少が目立ち,材料別では呼吸器,子宮頸部のがん検診検体数,乳腺と甲状腺の検体数が減少していた.関連学会および研修会への参加人数は総数で減少がみられたが,それには地域差があり,2020 年のほうが参加人数の多い地域もあった.
結論:新型コロナ感染症により検診受診者が減少している.また,生涯研修への参加が減少した地域もあった.今後の動向を注視する必要がある.