日本臨床細胞学会雑誌
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症例
IUD 捺印細胞診にて診断された子宮放線菌症の 1 例
―NGS を用いた菌叢解析による起因菌の模索―
今枝 慶蓉野上 侑哉小林 佑介阪埜 浩司青木 大輔
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2023 年 62 巻 3 号 p. 145-150

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抄録

背景:放線菌症は主に嫌気性グラム陽性桿菌Actinomyces israelliによる慢性化膿性肉芽腫性感染症であり,子宮内避妊器具(intrauterine device:IUD)の長期留置と関連が示唆されている.今回画像上は子宮体癌が疑われたが細胞診で子宮放線菌症を診断し,菌叢解析で別の起因菌が示唆された 1 例を経験した.

症例:50 歳代,女性.下腹部痛で前医受診,MRI 検査で子宮内に直腸浸潤を伴う軟部影を認め,子宮体癌の直腸浸潤疑いで当院へ紹介された.細胞診(Papanicolaou 染色)で灰青色の菌塊の細胞像を認め,悪性所見は認めなかった.子宮放線菌症と診断し,6 ヵ月間の抗菌薬加療を行った.後方視的検証として子宮内腔洗浄液の菌叢解析を行い,Actinomyces mediterraneaが確認された.

結論:IUD 長期留置例で細胞診は,子宮放線菌症の診断に臨床的有用ではあるが,菌叢解析により新たにActinomyces mediterraneaが起因菌となる可能性が示唆された.放線菌症のさらなる病態解明につながることが期待される.

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