日本臨床細胞学会雑誌
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症例
異染性粘液様物質を認めた類上皮血管内皮腫の 1 例
野口 裕史徳満 貴子森田 勝代峰松 映子白濱 幸生黒木 栄輝前川 和也佐藤 勇一郎
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2024 年 63 巻 1 号 p. 19-24

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抄録

背景:肺の類上皮血管内皮腫(EHE)は細胞診において,腺癌に非常に類似する細胞像を示すが,特徴的な異染性を示す間質性粘液が認められた 1 例を経験したので報告する.

症例:50 歳代,女性.以前より多発肺結節と肝腫瘤が指摘されていたが,左肺門部腫瘤が増大したため,EBUS-TBNA による細胞診と生検が施行された.細胞診で肺腺癌を疑ったが,生検では EHE 疑いで,その後肺下葉切除術が行われ,最終的な病理診断は EHE とされた.EBUS-TBNA の細胞像は,管腔様構造を示す上皮様集塊が観察され,核偏在性や核不整,核細胞質内空胞もみられた.本例では上皮様集塊とともに May-Giemsa 染色で異染性粘液様物質がみられた.当院で施行された肺・縦隔細胞診を再検討したところ,異染性粘液様物質は,本例以外に肺浸潤性粘液性腺癌症例で認められたが,腫瘍細胞内にも異染性物質をもつ上皮性粘液であり,異なる所見であった.

結論:本例の細胞像は,腺癌細胞と類似点が多く鑑別が困難であったが,May-Giemsa 染色で異染性を示す間質性粘液は EHE を推定するうえで重要な所見になると思われた.

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