日本臨床細胞学会雑誌
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症例
子宮頸部細胞診が ASC-H であった子宮頸癌合併妊娠の 2 例
松永 梨沙水島 大一紙谷 菜津子今井 雄一西尾 由紀子海老塚 智恵美伊藤 絢子加藤 生真藤井 誠志宮城 悦子
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2024 年 63 巻 2 号 p. 85-90

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抄録

背景:妊娠中の子宮頸がん検診は若年者の検診受診率を下支えしているが,妊娠の影響で過小評価されることがある.妊娠初期の子宮頸部細胞診が atypical squamous cells cannot exclude HSIL(ASC-H)と評価された進行子宮頸癌 2 例について浸潤癌の細胞診所見を示さなかった要因を検討した.

症例:[症例 1]28 歳.妊娠初期の子宮頸部細胞診が ASC-H,組織診は扁平上皮癌であった.子宮頸部拡大生検で子宮頸癌ⅠA1 期と診断した.がんの浸潤部が非常に狭いため浸潤癌に相当する細胞の採取が困難であったと考えられた.[症例 2]41 歳.妊娠初期の子宮頸部細胞診が ASC-H,組織診は子宮頸部上皮内腫瘍 3 であった.組織診の再検で扁平上皮癌を認め,分娩時の子宮摘出検体より子宮頸癌ⅠB1 期と診断した.高度肥満と妊娠による子宮頸部の偏位で浸潤癌の部位に近接した軽度病変が擦過され,妊娠の生理的変化と鑑別が困難であったと推察された.

結論:細胞診採取では子宮頸部の十分な展開と粘液の除去など過小評価の要因を減らし,細胞診異常のある症例には内診やコルポスコピー,組織診を用いて総合的に評価すべきである.

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