日本臨床細胞学会雑誌
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肺小細胞癌の細胞像と予後について
宮本 宏井上 勝一阿部 庄作村尾 誠安田 悳也坂井 英一清水 哲雄
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1981 年 20 巻 1 号 p. 30-35

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抄録

肺小細胞癌18例について, 気管支鏡下擦過による細胞形態像が予後と関係があるかどうか調べた. 多くの小細胞癌には種々な形態をもった細胞が混在しており, 小型核 (10μ 以下) と大型核 (11μ以上), 円形核と多辺形核, 濃染核と淡染核, クロマチンパターン, および核小体について観察した. 極めて予後の不良な例 (4ヵ月以内死亡) では, 予後の良い例 (2年以上生存) と比較して, 小型核, 円形核, および濃染核の割合が多く, また粗クロマチンパターンおよび濃縮核の出現が多かった.
一方, 予後の良い例では予後の極めて悪い例と比較して, 大型核, 淡染核, および多辺形核の割合が多く, 細クロマチンパターンの出現がより多かった. 小細胞癌の細胞像は予後と関係があると思われる.

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