日本臨床細胞学会雑誌
Online ISSN : 1882-7233
Print ISSN : 0387-1193
ISSN-L : 0387-1193
Dysplasia and Carcinoma in Situ of the Vagina after Hysterectomy
Ikuno FUJIMOTOShigeo MASUBUCHIHaruko MIWAKohichi FUKUDASadamu YAMAGUCHIKazumasa MASUBUCHI
著者情報
ジャーナル フリー

1981 年 20 巻 3 号 p. 514-522

詳細
抄録

癌研婦人科における子宮全摘術後患者の追跡検診で, 1970~1979年間に12例に腟細胞診で異型細胞を認めた. 2例の上皮内癌の細胞所見を呈した症例は, 子宮頸部上皮内癌術後であった. 異型上皮細胞を認めた6例のうち, 4例は頸部扁平上皮癌術後で, 他の1例は内膜腺癌術後で, 残りの1例は卵巣癌術後の症例であった. 子宮の良性疾患で手術した症例のなかでも4例に術後異型細胞の出現をみた. 細胞診所見上, いわゆる頸部の上皮内癌, 異型上皮の所見と極めて類似していた. 悪性, 良性を問わず, 子宮全摘術をうけた症例について, 終生定期的な追跡検診を行う事が, 腟上皮の異型性変化を早期に発見する上で大切な事であろう.

著者関連情報
© The Japanese Society of Clinical Cytology
前の記事 次の記事
feedback
Top