抄録
Micro-spectrophotometer (MSP) による癌細胞核内Feulgen-DNA量分布が, Flow cytometry (FCM) によるDNAヒストグラムとどの程度相関性があるか, 6種の培養細胞 (肺腺癌, 肝癌, 骨由来巨細胞腫, 横紋筋肉腫, 神経芽細胞腫それぞれの細胞, およびRaji細胞) を用いて検討した. また, doubling timeとの関係についても検討した.
1) 核DNAヒストグラムは, G0G1期, S期の一部を含む第1成分と, S期の一部, G2M期を含む第2成分に分けた。
2) MSPによる第2成分とFCMによる第2成分は良く相関した (r=0.914, P<0.02).
3) S期は, FCMでは明瞭に認められるが, S期の著明な例では, MSPでもある程度推定可能であった.
4) MSPによる第2成分の割合とdoubling timeとは良く逆相関した (r=0.925, P<0.01).
5) 以上のことから, MSPによる臨床例の癌細胞回転の推定の可能性が示唆され, 細胞診上も重要と考えられた.