日本臨床細胞学会雑誌
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人工妊娠中絶後に出現する異常細胞に対するFlow-Cytometryによる動態について
甲斐 一郎長野 寿久安井 志郎天神 美夫
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1982 年 21 巻 2 号 p. 154-159

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抄録
人工妊娠中絶後に悪性を思わせる異常細胞が, 細胞診に出現することが最近知られてきた. この異常細胞を脱落膜型, 円柱上皮型およびその他の3型に分けて検討したところ, 脱落膜型は主として中絶後2週間以内に多く, 円柱上皮型はそれ以後に多く出現することがわかった. この異常細胞の性格と由来を明らかにするため, 細胞核DNAの立場から研究を行った. 中絶後の内膜吸引細胞および再掻爬材料を用いて細胞分析を行い, FCMのICP-11型によって核DNAパターンを測定した・その結果2倍体域のみピークをもつA群と3~4倍体域に極めて低いピークをもつB群とに区別し得たが, A群は主として10日以内に多く, B群は20日以後に多くみられる. このことから出現細胞像と合わせ考えるとB群にみられる低い高倍体域のピークは円柱上皮型細胞のうち再生機転の盛んな新生細胞にあたると考えられる. また脱落膜型異常細胞はDNAモードが正常パターンであることから中絶後の脱落膜細胞の変性型細胞と考えたい.
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