日本臨床細胞学会雑誌
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一般尿検査におけるwet-mount沈渣からの悪性例検出について
君塚 みち子村田 松雄野口 泰子武村 民子池田 栄雄田中 昇
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1982 年 21 巻 2 号 p. 202-207

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抄録

1973年から1979年の問に取り扱われた389, 760件の尿沈渣のうち, 異常な細胞 (群) が検出され, 通常のwet-mount標本に見出された例について, そのカバーグラスをはがし, 固定, PAPあるいはGiemsa染色を行って観察し, 68例の原発性ないし, 転移性あるいは, 隣接臓器より浸潤した悪性腫瘍を診断することができた. 光顕視野下での観察では細胞微細構造の判定は, 必ずしも容易ではないが, URI-Ce1等による超生体染色はその一助となることを見出した. 病院の中央検査部門においてwet-mount標本を用いて, 一般尿検査の際にも, 単に細胞成分の構成を調べるだけでなく, 異常な形態を示す細胞の存在を注意することの必要性を強調した.

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