日本臨床細胞学会雑誌
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胃内視鏡直視下NCS局注による胃癌の変化-細胞所見を中心として
武藤 邦彦谷 恒明横田 勝正池口 祥一信田 重光佐藤 豊彦鈴木 容子山田 喬
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1982 年 21 巻 3 号 p. 495-502

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抄録
胃癌と診断されても, 重症合併症や患者の拒否により手術不能の場合がある. これらの症例に対して種々の治療法が試みられているが, われわれは経内視鏡的局注療法を行ってきた. 使用抗癌剤は, 癌細胞のDNA合成および細胞分裂阻害の作用機序を有し, その抗腫瘍効果が濃度依存性により発揮されるといわれているNeocarzinostatin (NCS) である. 使用方法は, 経内視鏡的に局注針を用い, NCS 2,000U/2mlを1回量として胃癌内に分割注入した. 現在まで, 進行胃癌12例, 早期胃癌9例の計21例に施行し, NCSによる腫瘍の形態的変化, および細胞学的変化を経時的に観察した. 癌細胞の変化についてみると, 局注後1週目および2週目あたりから細胞の変化が認められるが, 全体的にみると局注前の癌細胞の特徴が優位であった. 3週目以後になると細胞膜の不明瞭化, 細胞形態の多形性化, 染色性の多様化, 不透明, 不均一が増大し, 大空胞を伴う細胞質が増加してくる. また核縁の不整, 蛇行, クロマチン像の粗大顆粒状, 粗大網状が疎となり, 核型の不整, 核小体の膨大が著明となり癌細胞は壊死におちいるようである.
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