日本臨床細胞学会雑誌
Online ISSN : 1882-7233
Print ISSN : 0387-1193
ISSN-L : 0387-1193
悪性黒色腫の細胞形態学的特徴 (続報)
25症例の分析
山田 喬本間 浩一高木 道生
著者情報
ジャーナル フリー

1982 年 21 巻 3 号 p. 503-509

詳細
抄録

皮膚および粘膜, その他から発生した悪性黒色腫25例の剥離細胞像を検索し, その特徴を求めた. この腫瘍には形態学的にかなり幅があるので, round, pleomorphicそしてfibrousの三型に分けて分析したところ以下の結論を得て, 従来のわれわれの提案した本腫瘍の特徴を再確認した.
1. メラニン色素が容易に剥離細胞に検出される例は, 20/25例であり, 5例の色素の少ないか, あるいは無い例が鑑別診断上間題となった.
2. この腫瘍細胞の非上皮様形態と, 類上皮様配列の混在するparadoxicalな形態を再確認したが, それはpleomorphic型の悪性黒色腫細胞に最も典型的にみられ, fibrous型細胞には乏しかった.
3. この腫瘍細胞のひとつの形態学的特徴である核内空胞は, 全体として10/25例に見い出され, とくに低あるいは無メラニン黒色腫の鑑別診断に役に立ち得ることがあることを確認した.

著者関連情報
© 特定非営利活動法人 日本臨床細胞学会
前の記事 次の記事
feedback
Top