Wistar系メスラットに大量のMethotrexateを投与して葉酸欠乏状態を作り出し, その腟スミア中の葉酸欠乏細胞を探した. その結果, 多核大型細胞, 細胞質内空胞の所見が認められた. しかし葉酸欠乏症に特徴的とされる好中球の核過剰分葉現象は認められなかった.
またMethotrexateを投与している乳癌患者の腟スミアを観察したところ, 大型細胞, 細胞質内空胞, 細胞質のしわが認められた.
ラットにあらわれた細胞変化の程度はヒトにあらわれた細胞変化より強かった. これはラットに投与されたMethotrexateの量が極めて多かったためと思われた. ラットの場合もヒトの場合も細胞の変化が日ごとに増強していく印象はなかった.