日本臨床細胞学会雑誌
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Malignant fibrous histiocytomaの1例
永井 荘一郎塚崎 克己篠原 正樹渡辺 茂宮野 勝秋三田 盛一Makio MUKAIAtsuo MIKATA
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1982 年 21 巻 4 号 p. 737-742

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抄録

41歳女性の大網に原発したと考えられる悪性線維性組織球腫 (Malignant fibrous histiocytoma) についてその病理組織学, 細胞診断学的な検討を行うと同時に超微形態学的な観察を行った. その結果, (1) 病理組織学的には, 短ないし長紡錘形細胞の束状配列が認められる一方, vacuolated cell および負食能を有する大型多核細胞が主体をなす像が認められた. (2) 細胞診断学的には線維芽細胞様細胞と組織球様細胞に大別され得る異型細胞集団が認められた. 紡錘形一部桿状の線維芽様の異型細胞がやや多く認められたが, 単核, 多核の組織球様の異型細胞も認められ, これらの一部は明らかな貪食作用を有していた. (3) 超微形態学的観察では, 視野による多少の差はあるものの, 線維芽細胞様の細胞が多く認められ, 一部で組織球性と考えられる細胞が認められた.

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