日本臨床細胞学会雑誌
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尿中に腫瘍細胞の剥離をみた膀胱原発Paragangliomaの1例
西川 秋佳杉江 茂幸青木 久枝堤美 穂子高橋 正宜下中 恵美子藤広 茂栗山 学
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1983 年 22 巻 3 号 p. 642-646

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抄録
膀胱原発のparagangliomaは非常にまれな腫瘍で, 血尿・高血圧・排尿時発作を特徴的症状とするが, 血尿を示すにもかかわらず, 自然排尿中に腫瘍細胞の剥離を認めたとの報告例は, これまでみられない.今回われわれは, 血尿中に腫瘍細胞を確認し得た膀胱paragangliomaの第1例目を経験したので, 細胞所見について検討し, 文献的考察を加え報告した.
症例は肉眼的血尿を主訴とする21歳の女性で, 自然排尿における細胞診にて, 比較的小型であるが, 濃染性の肥大核と辺縁不明瞭な細胞質を有する異型細胞が孤立性にあるいは集塊として認められた.膀胱部分切除術が施行され, 腫瘍は病理組織学的にクロム親性反応陽性を示すparagangliomaであった.
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