日本臨床細胞学会雑誌
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鼻汁細胞診で発見されたolfactory neuroblastoma
山際 裕史伊藤 房郎川原 重治
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1984 年 23 巻 2 号 p. 159-162

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抄録
12歳女児が鼻出血のため来院し, 鼻汁の細胞診で悪性所見を指摘され, 生検によって01factory neuroblastomaと診断された.細胞診では, パパニコロー染色で濃青染する細胞質と, 濃染する核を有し, N/C比は大で, 数個ずつ集籏してみられ, ロゼット様配列を示すものもみられた.
鼻腔内のolfactory neuroblastomaは同部の横紋筋肉腫, 悪性リンパ腫, 悪性黒色腫・形質細胞腫, 未分化癌などとの鑑別が問題となる.発生母地については諸説があるが, 嗅神経上皮の未分化細胞由来とする考え方が有力である.本腫瘍は本邦では1982年までに23例が報告されているにすぎない.
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