1987 年 26 巻 3 号 p. 493-498
子宮頸癌の治療後3年めに発生したpostirradiation dysplasiaの症例について, 詳細な細胞学的検討を行いいくつかの知見を得た. 通常のdysplasiaより小さな細胞および核面積, より大きなN/C比, より不規則な細胞型が認められ, Pattenの報告と一致していた. このdysplasiaは2年6ヵ月の間, 経過が観察されたが, 年月の経過とともに若干の細胞像の変化が認められ, 再発との関連を考えるうえで興味深い知見であった. この症例は最終的にはブレオマイシン軟膏による治療にて寛解せしめた.