日本臨床細胞学会雑誌
Online ISSN : 1882-7233
Print ISSN : 0387-1193
ISSN-L : 0387-1193
大網乳斑と腹腔マクロファージ
その特性, 機能および発生
今井 大山川 光徳前田 邦彦増田 昭博佐藤 俊裕
著者情報
ジャーナル フリー

1987 年 26 巻 4 号 p. 572-580

詳細
抄録

大網組織内乳斑とマクロファージおよび腹腔マクロファージの性状, 役割さらに発生について, ヒトや実験動物を用いて検討した.
ヒト大網内あるいは腹腔マクロファージと中皮細胞は, monocyte/macrophage系マーカーを用いた免疫細胞化学的手法により鑑別可能であった. 乳斑には多くのマクロファージがみられ, 動物実験の結果から, これらのマクロファージは卵黄嚢の血液単球由来のものと, 胎芽組織由来のものとにより構成されることが示唆された. また, 乳斑は腹腔マクロファージの供給源であり, ときには同部にリンパ濾胞が形成され, 免疫学的反応にも重要な役割を果たしていると考えられた. また, ラットへの種々の刺激物投与実験から, おのおのに対して大網および乳斑は異なった反応を示した.

著者関連情報
© 特定非営利活動法人 日本臨床細胞学会
前の記事 次の記事
feedback
Top