日本臨床細胞学会雑誌
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持続温熱腹膜灌流による胃癌患者腹腔内遊離癌細胞の形態的変化について
平岡 裕広岡 保明小林 陽子岸本 弘之木村 章彦飯塚 保夫古賀 成昌工藤 浩史
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1988 年 27 巻 1 号 p. 57-63

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抄録

腹膜播種を有する胃癌患者10名を対象とし, 温熱と抗癌剤を併用した持続温熱腹膜灌流療法continuous hyperthermic peritoneal perfusion (CHPP) を行った. その前後にわたり経時的に腹腔内遊離癌細胞を採取し, 主としてこれらの形態的変化につき検討し, 以下の成績を得た.
1. CHPP施行後には, 遊離癌細胞の胞体内空胞形成および核の腫大, 凝縮などの変性所見が認められ, さらに特徴的な多核巨細胞化した癌細胞の出現が認められた.
2. CHPPの回数を重ねるに従い, 癌細胞の変性程度, 変性癌細胞の出現頻度が増加した.

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