日本臨床細胞学会雑誌
Online ISSN : 1882-7233
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Study of multivacuolated (Globoid) cells in the aspirate of apocrine carcinoma of the breast, with special reference to histochemical and electron microscopic findings
Raj K. GuptaSt. John WakefieldTadao K. KobayashiRobert J. FauckJohn S. Simpson
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1991 年 30 巻 3 号 p. 517-521

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抄録

穿刺吸引細胞診によって示唆された, 乳房のいわゆる多空胞性 (球形) アポクリン癌を報告した.アポクリン癌の定義や頻度の違いを観察するうえからこれらの腫瘍を, 明確に異なった組織亜型とする考えは疑問といわざるをえない.本論文ではこれらのアポクリン癌の穿刺吸引細胞像, 免疫組織化学および電顕的像について調べた.われわれの示した特殊染色の結果から球型空胞細胞の由来は泡沫大食細胞のそれとよく一致し, また, これらは乳房よりの穿刺材料でしばしば検出される.すなわち, 最近使われている新しい用語である多空胞性, 脂質含有 (球形) 細胞を伴ったアポクリン癌という考えは今のところ受け入れがたい.
これは目下混乱している定義に対して何ら新しいものを付け加えるとは思われない.

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© The Japanese Society of Clinical Cytology
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