日本臨床細胞学会雑誌
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細胞診, 生検にて診断困難であった子宮体部高分化扁平上皮癌の1例
平沢 浩舟橋 正範黒田 誠溝口 良順澤田 富夫廣田 穣笠原 正男
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1991 年 30 巻 3 号 p. 607-610

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抄録

80歳女性に発生した子宮体部原発性高分化扁平上皮癌の1例を経験した.頸管擦過細胞診, およびエンドサイト法による内膜擦過細胞診では中等度異形成を認め, parakeratosisを伴う線維状~紡錘状の細胞が主体で, 細胞質はライトグリーンあるいはエオジン, オレンジG好性であった。また核異型に乏しかった.細胞像から悪性病変としての診断は困難であった.内膜組織診でも, 採取された細胞は異型の乏しい扁平上皮成分のみで, 癌としての確定診断は得られなかった.臨床的に悪性を否定できず, 単純子宮全摘術を施行した.病理組織学的検索からは, 子宮体部高分化扁平上皮癌と診断された.

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