宮城県対がん協会細胞診センターでは, 頸部腺癌のfalse negativeを防ぎ, さらにその前癌病変をcheck upするために, 癌の基準をみたさない腺上皮系の異型細胞に対して, 昭和56年からIII腺という分類基準を設けてスクリーニングを行っている. 今回, その成績を整理し, 次のような結果を得た.
1.III腺と判定されたものは, 子宮癌検診総数の0.07%に当り, クラスIII全体の5.0%を占めた.
2.III腺の17.7%に腺異形成, 頸部腺癌, 体部腺癌などの腺上皮系neoplasiaを検出した.
3.III腺で生検陰性のもの563例をfollowupした結果, 9例に初期腺癌 (上皮内腺癌, 微小浸潤腺癌) が検出された. そのfollow up期間は9-57ヵ月であった.