日本臨床細胞学会雑誌
Online ISSN : 1882-7233
Print ISSN : 0387-1193
ISSN-L : 0387-1193
子宮頸部擦過細胞診における宮城方式 (III腺) の意義
伊藤 圭子及川 洋恵岩渕 一夫金野 多江子金田 尚武森 俊彦米本 行範東岩井 久野田 起一郎
著者情報
ジャーナル フリー

1991 年 30 巻 4 号 p. 662-669

詳細
抄録

宮城県対がん協会細胞診センターでは, 頸部腺癌のfalse negativeを防ぎ, さらにその前癌病変をcheck upするために, 癌の基準をみたさない腺上皮系の異型細胞に対して, 昭和56年からIII腺という分類基準を設けてスクリーニングを行っている. 今回, その成績を整理し, 次のような結果を得た.
1.III腺と判定されたものは, 子宮癌検診総数の0.07%に当り, クラスIII全体の5.0%を占めた.
2.III腺の17.7%に腺異形成, 頸部腺癌, 体部腺癌などの腺上皮系neoplasiaを検出した.
3.III腺で生検陰性のもの563例をfollowupした結果, 9例に初期腺癌 (上皮内腺癌, 微小浸潤腺癌) が検出された. そのfollow up期間は9-57ヵ月であった.

著者関連情報
© 特定非営利活動法人 日本臨床細胞学会
前の記事 次の記事
feedback
Top