日本臨床細胞学会雑誌
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新しい細胞採集器具Cell-Sweep®によってCINの頸管内病変境界が把握できるか
円錐切除術時断端陽性例を減らすために
松本 和紀株本 和美小田原 靖佐々木 寛北川 道弘落合 和徳田中 忠夫
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1996 年 35 巻 2 号 p. 114-117

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抄録

CIN (Cervical Intraepithelial Neoplasia) の治療において円錐切除術やLEEP (Loop Electro Excision Procedure), レーザー円錐切除, レーザー蒸散などが行われている. 頸管外の病変の拡がりはcolposcopeにより術前に正確に把握されているが, 頸管内の病変の拡がりは術前に把握できず, ときとして切断端陽性となることがある. そこで新しい細胞採集器具, Cell-Sweep®を用いて, CINの頸管内病変境界が術前に把握できるか否かを検討した.
その結果, 10例中4例が細胞塗抹標本上の異常細胞出現範囲と一致し, 1mmの誤差が2例, あとは, それぞれ2mm, 3mm, 5mm, 7mmの誤差のものが各1例であった. したがって術前にCell-Sweep®で塗抹標本上の異常細胞出現範囲を検討すれば7mm以内の誤差で頸管内病変の拡がりが把握できたことになる.

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