日本臨床細胞学会雑誌
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乳腺穿刺吸引細胞診4,641例の成績と再検討
沼本 敏宮内 洋一
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1999 年 38 巻 2 号 p. 136-140

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抄録

1986年から1997年の12年間に行った乳腺穿刺吸引細胞診4,641例の診断結果の分析と再検討を試みた. 判定不能706例 (15.2%), 陰性2,894例 (62.4%, Class I: 79例, Class II: 2,815例), 疑陽性83例 (1.8%), 陽性958例 (20.6%, Class IV: 30例, Class V: 928例) であった. 判定不能例の19.7%(139例), 陰性例の19.9%(577例), 疑陽性例の75.9%(63例), 陽性例の80.1%(767例), 計1,546例において組織診断が行われている. 組織診断との対比可能な症例から判定不能例を除き, 感度と特異度を求めると87.3%と95.9%であった. 誤陰性は109例で, 硬癌, 乳頭腺管癌, 浸潤性小葉癌の順に多く, 誤陽性は20例で, 線維腺腫, 乳腺症の順に多かった. これらの誤判定を含め, 疑陽性例の原因についても考察を加えた.

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