日本臨床細胞学会雑誌
Online ISSN : 1882-7233
Print ISSN : 0387-1193
ISSN-L : 0387-1193
卵巣腺癌症例の腹水細胞診におけるAgNORsの診断的応用
反応性中皮との対比
光野 彩子渋田 秀美岡村 宏佐久間 暢夫亀井 敏昭
著者情報
ジャーナル フリー

2000 年 39 巻 3 号 p. 154-159

詳細
抄録
目的: 腹水細胞診においてAgNOR染色を応用し卵巣腺癌細胞と反応性中皮の鑑i別の補助診断法としての有用性を検討した.
方法: 腹水細胞診陽性の卵巣腺癌症例11例と, 対照の反応性中皮を伴う良性腹水の出現した女性11例を対象としてAgNOR染色を施行し, 一核あたりの平均AgNORsドット数をm-AgNOR, 一核あたりのAgNOR数がn個以上である核を有する細胞の占める割合をP-AgNOR≧n (%) と定め検討した.成績:m-AgNORは卵巣腺癌細胞と反応性中皮の間で有意差を認め (p=0), 両者の鑑別に有用であった.また, 同症例の組織標本に於けるm-AgNORは細胞診標本のものと正の相関の傾向にあり, 細胞診標本に於けるm-AgNORの信頼性が確認された.しかし, AgNORsドット数の正確なカウントおよびm-AgNORの算出には大変な労力を要する.一方p-AgNOR≧4or5は両者間で有意差を認め (p<0.001), より簡便で実用的であった.
結論: 体腔液細胞診における卵巣腺癌細胞と反応性中皮との鑑別の補助診断としてのAgNOR染色の有用性が示唆された.
著者関連情報
© 特定非営利活動法人 日本臨床細胞学会
前の記事 次の記事
feedback
Top