日本臨床細胞学会雑誌
Online ISSN : 1882-7233
Print ISSN : 0387-1193
ISSN-L : 0387-1193
自動固定標本作製装置開発のための基礎的検討
第2報子宮内膜細胞診におけるメンブレンフィルター法の有用性
佐久間 香苗椎名 義雄井上 裕美福本 由美子飯島 淳子大河戸 光章森永 素江山下 暁子
著者情報
ジャーナル フリー

2000 年 39 巻 5 号 p. 304-311

詳細
抄録
目的: 子宮内膜細胞診の標準化を目的に, メンブレンフィルター法の有効性と問題点について検討した.
方法: 本研究には, エンドサイトまたはエンドサーチで採取された良性90例, 子宮内膜増殖症2例および子宮内膜癌8例を用いた.擦過材料は直接塗抹標本作製後, 生理食塩水中に洗い出し, 孔径10μmのメンブレンフィルターで濾過し, 95%エタノール固定後Papanicolaou染色を施した.
結果: メンブレンフィルター法では吸引困難が25例 (25%) に存在したが, その原因の大半は粘液の混入であった.メンブレンフィルター法の標本背景は血液成分や壊死物質が少なく, 直接塗抹標本に比べ上皮細胞の観察は容易であった.出現した集塊はメンブレンフィルター法ではNGSES (normal glands surrounded by endometrial stroma) が49.5%, 開口型腺管が30.7%と多いのに対し, 直接塗抹法ではシート状集塊が61.4%を占め, メンブレンフィルター法でより組織構築が保たれた.子宮内膜増殖症では閉鎖型腺管, 偽乳頭状集塊, 腺密集集塊および拡張腺管の頻度が高く, 癌例では小型不整形集塊の出現が鑑別診断上最も重要な所見と思われた.
結論: メンブレンフィルター法はより組織の特徴を反映した方法であり, 内膜細胞診の標準化の可能性が示唆された.
著者関連情報
© 特定非営利活動法人 日本臨床細胞学会
前の記事 次の記事
feedback
Top