抄録
背景: NK/T細胞リンパ腫は一般に節外性で鼻腔に生じるものが多いが, 消化管の報告もある.今回われわれは腹水中に出現した小腸原発NK/T細胞リンパ腫の1例を経験したので報告する.
症例: 49歳, 男性.平成10年12月上旬より腹痛が出現し当院内科受診.平成11年1月8日腹痛増強し諸検査の結果穿孔性腹膜炎の診断で緊急手術となり, 術中に腹水貯留を認めたため細胞診を施行した.細胞所見はN/C比の上昇した中型ないし大型の異型リンパ球が散在性に出現し, 核は円形~類円形でくびれや切れ込みなどの不整形を示していた.メイーギムザ染色標本において弱好塩基性~淡明な細胞質内に多数のアズール, 頼粒を認めた.
結論: 細胞診ではNK/T細胞性リンパ腫を推定するにはメイーギムザ染色標本における細胞質内のアズール穎粒が重要な手掛かりになると考えられた.