日本臨床細胞学会雑誌
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腹水細胞診によるIII, IV期上皮性卵巣癌の組織型診断
加藤 友康清水 かほり荒井 祐司手島 英雄梅澤 聡清水 敬生都竹 正文山内 一弘荷見 勝彦
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2001 年 40 巻 2 号 p. 128-133

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抄録

目的:III, IV期上皮性卵巣癌の腹水細胞診における各組織型に特徴的な集塊に注目し, 腹水細胞診による組織型推定の可能性を検討した.
方法:1991年から1996年までに腹水細胞診を施行したIII, IV期卵巣癌91例のPapanicolaou染色標本を対象とした.
成績:腹水細胞診陽性は67例 (74%) あり, 組織型別では漿液性腺癌が54例中44例 (82%), 明細胞腺癌が18例中14例 (78%), 粘液性腺癌が12例中7例 (58%), 類内膜腺癌が7例中2例 (29%) であった. 漿液性腺癌の特徴は100個以上の小型細胞から成る大型の乳頭状集塊で33例 (75%) にみられ, うち16例 (49%) はその集塊内に砂粒体を伴っていた. 明細胞腺癌では, 14例中10例 (71%) にmirror ball patternを示す集塊, 8例 (56%) に間質の石灰化を認めた. 粘液性腺癌ではシート状の集塊と細胞質内の粘液が全例にみられた. 類内膜腺癌の特徴は管腔状集塊であった. 上記の特徴的集塊の出現頻度は67例中52例 (78%) であった.
結論:腹水細胞診はIII, IV期上皮性卵巣癌の組織型推定に有用と考えられた.

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