抄録
背景:転移病巣が癌腫成分で構成され腹水細胞診でも上皮成分のみを示した子宮体部癌肉腫の1例を経験したので報告する.
症例:症例は52歳, 2経妊2経産, 閉経51歳. 不正出血を主訴に当院を受診した. 子宮内膜細胞診は腺癌細胞と非上皮性の腫瘍を疑う異型細胞がみられClass V, 内膜組織診にて子宮体部異所性癌肉腫と診断された. 術後検索では骨盤リンパ節に癌腫の転移を認め, 腹水細胞診でも上皮成分のみを示していた. 臨床進行期IIIC期にて術後化学療法施行し, 外来観察を行っていたが肝転移による肝不全のため死亡した. 剖検所見では肝転移および播種転移巣の大部分は扁平上皮癌であり肉腫成分は認められなかった.
結論:子宮体部癌肉腫の各腫瘍成分の性格には多くの因子が複雑に関与しており, 腫瘍本体からのcellsheddingにおいては癌腫と肉腫で異なる機序が存在すると思われた.